過去の旅行記を復活!きのくにシーサイド白浜紀行 【2】きのくに篇 ◆

きのくにシーサイドはいよいよ和歌山県らしい場所を走行します。
広大な太平洋、みかん畑の山岳地帯、そして温泉地。
きのくに線ではいろいろと変化する車窓が楽しめます。
そして終点の白浜からはバスで白浜温泉に向い、温泉を満喫します。
阪和篇ではきのくにシーサイドの車両をメインに紹介しましたが、きのくに篇では変化する車窓をメインに紹介します。

2006年8月13日(日)

海南 → 白浜 ◆

海南を出発すると、海が見えてきます。
ここから一気に和歌山県らしくなります。
すこし高台を走り、冷水浦駅を通過する頃、海の向こうに海南のマリーナシティの観覧車が見えてきました。




眼下にはきれい入り江が見えてきます。
線路と反対側につながる道がないのでしょうか、人の気配がありません。



箕島駅に停車しました。
ここから車窓は一変し、和歌山名産のみかん畑の中を走ります。




藤並駅に停車しました。
旅当時、すでに有田鉄道は廃線になっていましたが、藤波駅のJRホームの端に有田鉄道の藤波駅の切符販売所が残っていました。
2011年現在、すでに取り壊されているので、今や貴重な一枚になりました。



有田鉄道の敷地跡と有田駅に静態保存されているSL、D51-1085号機。
2011年現在、藤並駅前より有田川町鉄道交流館に移動されて展示されています。



紀州のたまり醤油の名産地、湯浅に停車しました。



続いて、広川ビーチ駅を通過します。
きのくに線でも新しいこの駅は、駅名にビーチと付きながらも山の中の、さらにみかん畑の中にあります。
見える範囲に海やビーチはありません。おそらく山の向こうがビーチなのでしょう。
駅名で海の近くだと思い込み下車すると失敗する駅です。




和佐駅を通過します。
通過といっても特急の退避を行うので停車しますが、ドア扱いのない運転停車です。
後から来る特急くろしお381系にあっさりと追い抜かれました。
最後尾より撮影しました。




ここからは山岳のトンネル地帯を抜けます。
地形の変化が激しいのも和歌山県の特徴です。
トンネルに入ると、車内は薄オレンジの間接照明に照らされて雰囲気が変わります。



紀伊田辺に停車しました。
終点の白浜まではあと数駅となりました。
このあたりから、それまで満席だった乗客が減りだし、空席が目立ちます。



終点の白浜に到着です。
わらわらと降車客に押されあまり撮影ができませんでしたが、ここまで牽引してきたDE10を撮影しました。
向かいのホームには、特急車両381系がぶった切られて留置されていますが、中には乗客がいます。
まさかこのまま発車するのか?とも思いましたが、あり得ません。
後から来る特急とこの車両が連結するのでした。
これも珍しいことです。
丁度夏の繁忙期の為の増結車両なのでしょう。



白浜駅(バス) → 白浜温泉崎の湯(バス) → 白浜駅 ◆

白浜駅では急いでバスに乗り換えます。
JRの白浜駅は山の中にあり、白良浜まではバスで移動になります。
白浜駅を利用する人の多くは、この白良浜かパンダのいる白浜アドベンチャーワールドを目指します。
そのため、多くの人がこのバスに乗り、すごく混雑するのです。
運良く席に座れましたが、通勤ラッシュのようです。

バスは山を下り、やがて白良浜に到着しましたが、今回はその先の温泉を目指します。
温泉地付近のバス停を降りると目の前はきれいな海が広がります。




遠くに見える白良浜は海水浴真っ只中。
ビーチはパラソルだらけ、まるで芋を洗うような海水浴客です。





お目当ての温泉、白浜温泉 崎の湯 に到着です。
この温泉の名物は、ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉の泉質もいいのですが、なんといっても眺望!
海側の磯に露天風呂があり、そのまま海につながっています。
高潮や満潮時は磯にある露天風呂は使用できません。



温泉といえばこれ、温泉卵です。
ゆで卵は「黄身が半熟で白身が固ゆで」ですが、温泉卵は「黄身が固ゆでで白身が半熟」です。
したって、白浜温泉ではゆで卵の逆という事から「反対たまご」という名前で販売されています。



再びバスに乗車し、白浜駅に戻ってきました。



白浜駅では、乗り場を変更したきのくにシーサイドが天王寺に向けて待機しています。
その横に特急オーシャンアロー283系が入線しきのくにシーサイドと並びました。




朝に天王寺で撮影した時は夏の太陽に負けうまく写真が撮れませんでしたが、ここではいい具合に撮影できました。



誰もいないオープンデッキを撮影しました。
こうやって見るとホームの続きに立っているような感覚になります。



白浜 → 和歌山 ◆

発車時刻になり、きのくにシーサイドが天王寺に向けて発車しました。
牽引するディーゼル機関車DE10の機回しせず、天王寺方のオハフ13-27の簡易運転台で推進運転を行います。
白浜を発車後、乗客は少なくオープンできも貸切です。



白浜駅前で購入したお弁当、手まり寿司を頂きます。



疲れのあまりうとうとと車窓を楽しんでいると、印南駅付近でこんなものを発見しました。
印南町名物の「かえる橋」です。



しばらく眠っているうちに、和歌山に到着しました。
和歌山駅で下車し、和歌山線に乗り換え、奈良県経由で帰阪します。



和歌山に停車中のきのくにシーサイドを撮影。
この撮影がきのくにシーサイドの最後の撮影となりました。
その後、観光シーズンに何度か運行されていますが、二度と見ることもなく廃車に至りました。
DE10だけは引退後、宮原操車場で入替機として活躍しているのを見たことがあります。



時間に余裕がありましたので、いったん改札外に出てみました。
ターミナル駅ですがあまり規模は大きくありません。
ホームに戻ると、和歌山折り返しの普通御坊行きの113系カフェオレ色が発車時間待ちをしています。



和歌山 → 粉河 → 中飯降 → 王寺 →J R難波 ◆

和歌山線ホームに向います。
和歌山線ホームは、和歌山市駅方面と王寺方面とが同じホームはら発車します。
相互の直通運転はありませんが、和歌山駅でスイッチバックする形になります。
車両は105系がメインになり、たまにオーシャン色の117系が入線します。
今回は105系快速五条行きに乗車しました。



途中、粉河で下車し駅訪問を行います。
夜間の為、駅周りの景色などがよく分かりません。




後続の列車に乗車し、続いて中飯降で下車しました。
真っ暗で電灯の光のある場所しか景色が分かりません。
デジカメを夜間モードにし、フォトショップで加工を行いようやく駅が浮かび上がりました。
駅は谷間にあり、改札はなくスロープの先に出口があります。




気になったのは、架線(電車線)が3本張られていることです。
何の目的かは分かりません。



この後、後続の列車で王寺に向かい、大和路線でJR難波に戻りました。
きのくにシーサイドを使った白浜の日帰り旅、とても楽しかったです。
途中でも書きましたが、この乗車がきのくにシーサイド最後の乗車になり、とてもいい思い出になりました。
あれから月日が流れ、2011年現在もきのくに線には専用のイベント列車の運行はありません。
きのくにシーサイドに変わるようなイベント列車で、再び和歌山を旅してみたいです。


鉄道旅行記トップに戻る 前に戻る